会社設立時に青色申告申請を必ず出しましょう

会社設立後には数多くの届出や手続きが求められますが、その中でも特に重要なのが青色申告承認申請書の提出です。
この申請を怠ると、本来受けられるはずの税務上のメリットを失うことになります。

青色申告とは

青色申告は法人税法に基づき、正規の簿記に従って帳簿を作成・保存し、正確に申告を行うことで様々な税務上の優遇措置が認められる制度です。
株式会社・合同会社など法人の場合も、申請を行わなければ適用されません。

なお、青色申告には一定水準の帳簿作成・記帳義務が求められますが、弊事務所では青色申告に必要な帳簿の作成・管理についても丁寧にご指導いたします。
もちろん、青色申告承認申請書の作成・提出自体も弊事務所に安心してお任せいただけます。

提出期限にご注意ください

法人の青色申告承認申請書は、会社設立日から3か月以内または最初の事業年度終了日までのいずれか早い日までに税務署へ提出する必要があります。この期限を過ぎると、最初の期は白色申告(青色申告の特典なし)となってしまい、大きな不利益につながります。

青色申告の3大メリット

  1. 欠損金の繰越控除(最大10年間)
    赤字が発生した場合、その金額を翌年以降の黒字と相殺することができ、法人税の負担を大幅に軽減できます。
  2. 貸倒引当金や減価償却の特例
    債権や固定資産の適切な管理・評価によって、税務上の優遇措置が受けられます。
  3. 税務署や金融機関からの信頼性向上
    正規の帳簿作成と適正な申告が求められるため、会社の信用力が高まり、融資や資金調達の場面でも有利に働きます。

【事例紹介】創業初期の赤字を将来の黒字と相殺

ITスタートアップ「A社」の事例をご紹介します。A社は創業1年目に開発費や人件費が先行し、約500万円の赤字となりました。
しかし、設立時に青色申告の承認申請を済ませていたことで、この赤字を翌期以降の黒字と相殺できました。
2年目からは売上が拡大し、利益が出た際に繰越欠損金を活用することで、数百万円規模の法人税負担を回避。
その資金を事業成長に再投資することができました。
創業初期は赤字になるケースが多いため、青色申告のメリットは極めて大きいといえます。

「青色申告は必須ではない」という誤解

「とりあえず白色申告でも問題ないのでは?」とお考えの方もいらっしゃいます。
確かに法人は青色申告を行わなくても申告自体は可能ですが、白色申告では青色申告特有の特典(欠損金繰越控除や各種引当金の計上)が一切受けられません。
結果として将来的な税負担が大きくなり、資金繰りにも悪影響を及ぼす恐れがあります。

また、金融機関や投資家との交渉では、正規の帳簿と透明性の高い会計が求められます。青色申告の承認取得は、そうした外部からの信頼確保にもつながる重要な要素です。

出し忘れによるリスク

青色申告の申請を失念した場合、創業初期の赤字を翌期以降の利益と通算することができなくなります。
特にスタートアップ企業では創業初年度に赤字となるケースが多く、この制度を活用できないことは資金繰りや事業計画において大きなハンデとなります。

まとめ

会社設立時は多くの手続きに追われがちですが、青色申告承認申請は最優先で対応すべき届出の一つです。
弊事務所では、申請書の提出代行から帳簿作成の指導・サポートまでトータルでご支援いたします。
ぜひお気軽にご相談ください。